ソーシャルレンディングと不動産担保

ソーシャルレンディングは企業に対する融資に投資するため、焦げ付きや貸倒れの懸念が付いて回ります。従って、投資した資金に対する保証の有無が非常に重要になります。その保証としてよく利用されるのが不動産担保です。

ソーシャルレンディングと不動産担保におけるLTV

仮に、不動産が担保に付いていたとしても、不動産の価値が1,000万円しか無いのに5,000万円を融資しては何の意味もありません。そこで、重要になるのが、担保の力を表す「LTV」の数値のチェックです。

LTVとは、「Loan To Value」の略であり、担保評価額に対する融資額の比率を示す数値のことです。例えば、5,000万円を融資する時に、評価額8,000万円の不動産を担保に設定した場合は、62.5%(5,000万円÷8,000万円)のLTVとなります。

ソーシャルレンディングと不動産担保におけるLTVの影響

当然、LTVの数値が低ければ低いほど、融資の安全性が高いことになります。5,000万円を融資した時に、評価額8,000万円の不動産を担保に取っていれば、融資が焦げ付いたとしても担保を売却すれば投資金の全額回収が可能になります。仮に、担保の価値が30%下落したとしても、100%の回収が図れます。

これが逆に、8,000万円の融資額に対して5,000万円の評価額でしかない不動産が担保であった場合は、最低でも3,000万円分の回収が終わっていないと、全額回収に対するリスクが残ることになります。仮に、担保の不動産の価値が下がると、さらにリスクが高まります。

従って、ソーシャルレンディングに投資する場合は、担保のLTVの数値が100%以下の案件を選んだ方が安全性が高いことになります。100%を超える案件に投資する場合は、貸倒れや焦げ付きによって資金が消失する可能性のあることを念頭に置いておく必要があります。

尚、仮に、貸し倒れで損失が出た場合、その損失を、損金算入出来るケースがあります。詳しくは、国税庁の解説ページなどをご覧下さい。

ソーシャルレンディングと不動産担保におけるLTVの信憑性

ちなみに、LTVの数値はあくまでも目安にしか過ぎません。不動産の価値はその時の市場動向の影響で変化するものであり、価値が一定ということはありません。価値が下がればリスクが高まりすし、価値が上がればリスクが低減します。

ただ、価値が上がることが良いことばかりとは限りません。不動産の価格が高くなり過ぎると、買主が見つかりにくくなるものです。いざ不動産を売却して回収を図るとなった時に、なかなか買主が現れずに回収作業が長引くということがあります。

さらに、LTVの数値で問題になるのが、担保の評価額です。ソーシャルレンディング・ラボの記事などでもよく言及されていることですが、ソーシャルレンディング事業者のそもそもの評価額が適正でないと、LTVが何の意味もなしません。例えば、5,000万円の融資に対して6,000万円の価値のある担保を取ってあると表記されている案件があったとします。確かに、LTVは約83%なので悪い案件ではありません。しかし、担保の本当の評価額が3,000万円だったとしたら、LTVの数値は約170%になり、リスクの高い案件になってしまいます。

実は、過去にソーシャルレンディング事業の破綻した業者がありますが、この業者は不動産の評価額を実際の価値より高く見積もっていました。その結果、不動産の売却代金では融資額の滞納分全額を埋めることができず、多くの投資家が資金を失うことになりました。

※経緯については詳しくは、関東財務局のHPなどを参照してみてください。

ソーシャルレンディングと不動産担保のLTVの確認

ソーシャルレンディングではLTVの数値が非常に重要です。そのため、LTVの数値が適正でないと、安全性が架空のものになります。事業者の案件における表記を鵜呑みにするのではなく、担保の内容を確認する意識が必要です。まず前提として、詳細な情報を公開しているソーシャルレンディングの案件を選ぶことが、安全な投資への第一歩になります。